ブリハス
●ブリハスの森 (Brihas)
国土の100%が森で構成されている。緑竜の術により、ヒトは入れない。
・気候
湿度が高く、年中じめっとしている。降水量も高め。
・守護竜:緑竜(ヴァート)
正確には里の奥にある神木。
寿命を終えた緑竜の長老たちの意識体が木に宿り続け、それが森を守る術の要となっている。
もし神木が破壊されるような事になったら、ブリハスの森は死んでしまう。
神木に宿る前に次世代に知識を継承させるので、現長老には始祖からの記憶(知識)がある。
・緑竜
ヒトの手のひらサイズの小さなトカゲに、コウモリのような羽が生えた生き物。
羽で飛ぶことが多い為、後ろ足は短く、枝に掴まる為の爪部分だけが発達している。
尻尾の先端は丸く、ここでバランスを取っている。
頭が良く、臆病な性格の竜が多い。
「ヴァート」とは始祖竜の名で、全ての緑竜が「○○・ヴァート」と名乗っている。
額の緑竜石が砕けると、その命も尽きる。
寿命は長生きしても50年程。
1人の命は短いが、代替わりする長老への「知識の継承」が緑竜が「知の竜」と呼ばれる所以。
・自然
ジャングルのような場所。
奥に進むほどに凶暴な植物が多くなり、緑竜の里へは案内無しに進むことは困難。
果物や木の実が豊富で、森に拒まれなければ豊かな暮らしが出来る。
・生き物
植物や虫が大半。結界の影響でヒトはほぼ住めないと思っていい。
〇毒樹
ツタがヒト型を模したような姿で、ヒトが近づくと毒を吐く。
移動は出来ず、狭い範囲にしか届かない為、距離を取れば害はない。
傷付ける等、怒らせてしまった場合はツタの腕を伸ばして捕まえて毒を吐きかけてくる。
スーリヤ近くの森にも似たような個体が存在するが、そちらは移動が可能。好戦的で、鋭く尖ったツタで突き刺して体液を吸う。
+物語+
ヒトはキライ。
私達を切ってしまうから。
だから私は森の奥までやってきた愚かなヒトに、毒を吹きかけるのだ。
でもある日、
森へやって来た男に、私は毒を吹きかける事が出来なかった。
――ヒトの木こりに恋をした。
その日から私は口を閉じた。
毒が彼を蝕まぬように。
こんな異形の姿では、彼のそばには居られない。
分かっていても……
話したい
謡いたい
――ヒトになりたい
叶わぬというのならいっそ、
唯の木に戻って愛しいあなたに伐られよう。
・緑竜の里( Viridis draco castellum)
村と呼べるのは緑竜の里のみ。
ヒトが入ると動くだけで建物を壊してしまうだろう。
木と葉で出来たログハウスで、サイズは緑竜に合わせて小さいが、よく出来ている。
雨で浸水しないように、木で組まれた土台の上に家が作られている。